睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠中に呼吸が10秒以上止まってしまうことを無呼吸と言います。睡眠中に何回も呼吸が止まりますとぐっすり寝ることができなくなり、さまざまな健康被害がでます。これを睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)と呼びます。自覚症状としては日中の強い眠気があります。寝てはならないところで居眠りしてしまう、大きなイビキをかく、夜中に息が苦しくなり眼が覚める、という症状は睡眠時無呼吸症候群によく見られる症状です。
眠気のために仕事の能率が落ちるだけではなく、睡眠時無呼吸がありますと心臓や血管に負担がかかりますので、高血圧、心不全、脳卒中などを発症しやすくなります。睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは高血圧は無呼吸のない方の2倍、夜間心臓突然死は2.5倍、脳卒中、脳梗塞は3.3倍発症しやすいといわれています。そのほかインポテンツ、多血症などの原因となり、また居眠り運転における交通事故率は健常人の7倍も高いという報告もあります。
このような症状はありませんか?
眠っているとき、、、

  • いびきをかく
  • 呼吸がとまるといわれる
  • 息が苦しくて目が覚める
  • 何度も目を覚ましてトイレに行く
起きているとき、、、

  • しばしば居眠りをしてしまう
  • 集中力が続かない
  • 性欲がなくなる
  • 息切れをする

無呼吸症候群の検査方法


日中の過度の眠気や睡眠中に大きなイビキを指摘され当院外来を受診していただいた場合、まず簡単な問診を行います。代表的なものに『ESS眠気テスト』があります。他にも睡眠障害に関する生活習慣病等の診察を行って、さらに睡眠呼吸障害の検査の必要性を認めた場合、簡易型検査装置によるスクリーニング検査を行います。入院が必要な施設も多くありますが、当院では機械を貸し出してご自宅での検査が可能です。
簡易型装置で重症(AHI 40 以上)と診断された場合、保険での治療が可能となりますので簡易検査で治療に踏み切ることもありますが、睡眠時無呼吸症候群をはじめとする睡眠障害を正確に診断するには睡眠ポリソノムグラフィー(PSG)という検査が必要になります。
この検査は脳波、呼吸運動、心電図、いびき音、体の酸素飽和度などのセンサーをとりつけ、一晩中連続して記録する検査です。多くのセンサーを取り付けますので眠れるかどうか心配される方もいますが、ほとんどの方が検査に支障なく眠っています。また、痛みを生じることもありません。検査はすべて個室入院にて行いますので快適にお休みいただけるように、部屋毎に室温調整が可能ですし、当院の機械はサイズが小さくつけたままお手洗いなどに移動することも可能です。
この検査により、睡眠の深さや無呼吸の程度、不整脈、いびきの出現時間など、睡眠中におこるさまざまな状態をコンピューター内に記録します。その後、専門検査技師が詳しく解析を致します。この検査は健康保険の適応になっていますが、検査をする側の時間や労務負担が多いため限られた施設でしか行われていませんし、仕事をしている方のスケジュールと合わないことも多くなかなか検査が行われていないことが実情です。
この精密検査で重度(AHI 20以上)の無呼吸症候群と確定診断された場合、保険での治療が可能となります。軽度(AHI20以下)と診断された場合、保存的治療を行います。

検査費用・予約申込みについて

睡眠ポリソノグラフィーの検査費用は、施設によって異なります。施設ごとの方針ではありますが、一般に総合病院で検査をうけると検査と別に短期滞在手術等基本料という管理料が算定されるため、同じ検査であっても検査費用が3倍程度高額になることがあります。
当院では少しでも多くの方に適切な検査・治療を提供するため、管理料は算定せず、検査費用・入院費・個室料金(検査の性質からどの病院でも個室入院が一般的です)すべてあわせて初診かつ3割負担の方で22,600円程度、1割負担の方ですと9,000円程度で検査を行わせて頂いております(使用する薬剤などの影響で多少の前後がありえます)。
<検査費用+入院費+個室料金> ※検査の性質からどの病院でも個室入院が一般的です
3割負担の方/約22,600円  1割負担の方/約9,000円
企業などでの簡易検査で、異常を指摘されている方は、
紹介で検査予約を取る事が可能です。

ポリソノグラフィーはいきなり検査を受けることはできません。簡易検査で異常がある方のみが検査を受けることができます。初診(簡易検査)から外来を受診していただきました方は外来にてその場で入院予約取得が可能です。一方、勤務先で簡易検査を受けてすでに異常を指摘されている方は、事前に勤務先から連絡(事前契約)を頂ければ、それをもってご希望の日程で入院予約をお取りしますので入院予約のために来院頂かなくとも、直接検査入院が可能です。ですので、これら条件にあえば平日の外来受診ができない方でも検査を受けていただくことができます。簡易検査後の精密検査委託をお考えの企業からのご相談もお受けします。

無呼吸症候群の治療方法


睡眠時無呼吸症候群には、つぎのような治療が有効です。
減 量生活習慣の指導CPAP口腔内装置手術治療
睡眠時無呼吸症候群が軽症の場合は、減量や生活習慣だけで症状が改善することもあります。しかしある程度重症となった患者さんは、ひどい眠気のために気力が低下し、減量や生活習慣改善にもなかなか前向きにとりくむことができません。

こうした患者さんには、CPAPと呼ばれる装置を使った治療が適しています。
スクリーニング検査でAHI40以上、または確定診断でAHI20以上で保険診療でのCPAP治療が適用となります。CPAP療法の原理は、寝ている間の無呼吸を防ぐために気道に空気を送り続けて気道を開存させておくというものです。

CPAP装置からエアチューブを伝い、鼻に装着したマスクから気道へと空気が送り込まれます。Continuous Positive Airway Pressureの頭文字をとってCPAP(シーパップ)と呼ばれ、いまや睡眠時無呼吸症候群のもっとも重要な治療法となっています。CPAPを使うとほとんどの患者さんが使ったその日からいびきをかかなくなり、朝もすっきり、昼間の眠気も軽くなり、消えることもあります。重症の睡眠時無呼吸の患者さんでは、CPAPを使わなかった患者さんより長生きをすることも分かっています。

CPAP治療にかかる費用

<保険適応の場合>

CPAP機器は購入でなく保険を使ったレンタルとなります。保険適応となりますので月に1度外来を受診頂き、使用状況の解析をしながら医師の管理のもとでCPAP機器を使用します。初期設定ではうまく使用できない方もその方の状況にあわせた調整を行うことでストレスなく十分な治療効果をあげられるように調整を行います。
診察・解析費用とあわせて3割負担だと4,500円程度、1割負担ですと1,500円程度となります。

<保険適応の場合> ※診察・解析費用とあわせた費用
3割負担の方/約4,500円 1割負担の方/約1,500円

<CPAP機器購入(自費による治療)>

CPAPの保険適応とはならないけれど、重症度が中程度に近く昼間の眠気などの症状がありCPAP治療を行いたい方や、すでに保険適応を受けてレンタルしている中で職場用など2台目を購入したい方、長期の海外出張などで日本の保険治療ができなくなる期間に治療を継続したい方などのためにCPAP機器の自費による購入にも対応しています。
 医師の処方があれば現在では並行輸入などによって様々な機器を購入することができ、その治療効果やプログラムなどは様々ですが、当院では日本で保険適応され、広く治療に使用されているものと同じ最新機種を正規メーカーより購入可能です。メーカー保障あり。

<自費購入プラン>
■RESMED S10 本体 343,200円(税込)(マスク類込みの基本セット)
■S10用加湿器用チャンバー 19,800円(税込)
■追加購入用のネーザルマスク 各種 16,500〜44,000円(税込)

購入の場合、基本的に受診は必要ありませんが、当院にて購入された方に限り、
調整のための受診を3回まで無料とさせていただきます。
自費購入プランの導入・支払い方法などについて、詳しくは当院までお問い合わせください。
4回目以降の調整、受診に関しては1回5500円(税込)にて対応させていただきます。

当院では睡眠時無呼吸症候群の診断から治療まで一貫した対応が可能です。相談だけでもお気軽にお越しください。

検査当日の流れ

入院受付(夕食・入浴を済ませて御来院ください)
病室で検温、血圧測定、診療計画説明
会計(早朝退院のため事前に預かり金を申し受けます)

検査機器装着・検査開始

起床後に装置取り外し

朝食はありませんのでそのまま退院頂けます。

清算後預かり金から返金がある場合は後日外来受診のときに返金いたします。
朝9時頃まで入院継続いただける場合は退院時の清算も可能です。
夕食、朝食をご希望の方は事前予約にて対応いたします(別料金)。

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