不整脈の診断とカテーテル治療

当院が特に得意とする分野が不整脈の診断とカテーテル治療です。不整脈の診断では、12誘導心電図、ホルター心電図(24時間心電図)を行い、不整脈専門医が解析をして的確な診断をいたします。ホルター心電図でもとらえることができない不整脈の患者さんには、動悸発作時に心電図を記録することができる携帯型心電計の貸し出しをしています。
不整脈の治療には、薬物治療と非薬物治療(カテーテル治療、ペースメーカー治療)があり、患者さんにしっかりと病状説明をした上で、治療の選択肢をすべて提示し、方針を決定していきます。

カテーテルアブレーション(経皮的カテーテル心筋焼灼術)

不整脈のカテーテル治療は、詳しくはカテーテルアブレーション(経皮的カテーテル心筋焼灼術)といいます。心臓の中に電極カテーテルを入れて、不整脈の原因部分を高周波にて焼灼(アブレーション)する治療です。カテーテルアブレーションは主に頻脈性の不整脈に対して行われます。当院では、心房細動、心房粗動、発作性上室性頻拍症(WPW症候群、房室結節リエントリー性頻拍、心房頻拍)、心室性期外収縮、心室頻拍など、あらゆる不整脈に対するカテーテルアブレーションが可能です。また、カテーテル治療の精度を高める最新の3次元マッピング装置(CARTO3)を導入しており、大病院に劣らない設備を備えています。

入院期間について
当院での一般的なアブレーション治療は1泊2日の入院スケジュールで行っております。1泊2日の入院スケジュールで行える不整脈は、発作性上室性頻拍症(WPW症候群、房室結節リエントリー性頻拍症、心房頻拍)、心房粗動、心室性期外収縮、特発性心室頻拍です。心房細動と複雑な心室頻拍の治療は3泊4日の入院スケジュールとなります。

心房細動の治療 カテーテルアブレーション

■心房細動ってどんな病気?
心房細動は、心房の電気興奮が乱れてしまった結果、脈が不規則となる不整脈です。高年齢、高血圧、虚血性心疾患、弁膜症、心不全、睡眠時無呼吸症候群などが心房細動発症の危険因子と報告されています。心房細動が続くと心房内に血栓が形成されることがあり、その血栓が血流にのって脳動脈を閉塞すると脳梗塞を引き起こしてしまいます。心房細動を原因とする脳梗塞は、発症すると症状が重く、寝たきり・要介護となってしまう事があります。また、心房細動が原因で心不全を発症することもあり、心房細動に対する適切な治療が必要です。

■心房細動の治療
心房細動の治療では、脳梗塞の予防をすることが第一であり、血液を固まりにくくする抗凝固療法(ワーファリン、プラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナなど)の適応をまず初めに判断する必要があります。
また、心房細動の発作を抑制する治療として、抗不整脈薬の内服もしくはカテーテルアブレーションがあります。

■心房細動のカテーテルアブレーションについて
心房細動は、心臓の左心房につながっている4本の肺静脈という血管から異常な電気興奮が発生することで起こります。 カテーテルアブレーションは、左心房と肺静脈の境界部分をカテーテルで焼灼し、肺静脈から発生する電気興奮を心房に伝わらなくする治療(肺静脈隔離術)です。内服薬での抑制が困難で、動悸症状がある心房細動は、カテーテルアブレーションの良い適応です。
当院では、3泊4日の入院スケジュールで心房細動のカテーテルアブレーションを実施しています。術中は局所麻酔と鎮痛薬をしっかりと用いて痛みを緩和し、カテーテル治療の時間は2~3時間程度です。カテーテルアブレーションによる心房細動抑制率は、発作性では1回目のカテーテル治療で約70%です。約30%の患者さんで心房細動の再発を認めますが、2回目のカテーテル治療によって抑制率は85%となります。
心房細動の治療は、患者さんの状態やご希望に応じて方針を決定する必要があります。心房細動でお困りの方はお気軽に当院へご相談ください。

心室性期外収縮に対するカテーテルアブレーション

心室性期外収縮は、健康診断の心電図で指摘されることも多く、不整脈専門外来にてよくご相談をうける不整脈です。動悸症状があり、ホルター心電図で1日に1万発以上の心室性期外収縮を認める場合には良い適応となります。カテーテルアブレーションによる心室性期外収縮の根治率は90%以上であり、動悸症状がある患者さんにおいてはQOL(生活の質)の向上が期待できます。カテーテル治療の時間は1~2時間程度で、当院では、1泊2日の入院スケジュールで実施しています。心室性期外収縮のカテーテルアブレーションの実際をお示しします。
心室性期外収縮の治療成功率を高めるには術前の心電図診断がとても重要です。院長の吉田が考案した心室性期外収縮の起源を予測する心電図アルゴリズム TZ indexとV2S/V3R indexは的中率が高く、不整脈の分野で著名な医学英文雑誌や医学書に掲載されています。また最近では、不整脈関連の心電図アルゴリズムを集めたスマホアプリ”epTools”にも掲載され、日常診療に広く利用されています。心室性期外収縮でお困りの方はお気軽に当院へご相談ください。
<参考文献>
1. Yoshida N, Inden Y, Uchikawa T, Kamiya H, Kitamura K, Shimano M, Tsuji Y, Hirai M, Murohara T. Novel transitional zone index allows more accurate differentiation between idiopathic right ventricular outflow tract and aortic sinus cusp ventricular arrhythmias. Heart Rhythm. 2011 Mar;8(3):349-56.

2. Yoshida N, Yamada T, McElderry HT, Inden Y, Shimano M, Murohara T, Kumar V, Doppalapudi H, Plumb VJ, Kay GN. A Novel Electrocardiographic Criterion for Differentiating a Left from Right Ventricular Outflow Tract Tachycardia Origin: The V2S/V3R Index. J Cardiovasc Electrophysiol.
2014 Jul;25(7):747-53.

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