マンジャロによるメディカルダイエット
2025年05月10日
マンジャロはアメリカの製薬会社イーライリリー社が開発した、週1回投与の注射型医薬品です。主に2型糖尿病の治療薬として承認されていますが、肥満症(肥満関連疾患)や体重管理を目的とした使用でも注目されています(肥満症への使用は保険適応がないので自費診療となります)。当院では多くのご希望があり、マンジャロによるメディカルダイエットを開始しておりますが、最近では「マンジャロ希望」とマンジャロを指定してご受診いただくケースが増えています。マンジャロ2.5mgにて開始しておりますが、4週間で2-3㎏の減量に成功されている方が多いです(個人差はあります)。マンジャロの利点は、週1回の注射で済むことと食事時間に関係なく注射できることです。
日本でも2025年4月にマンジャロ(一般名:チルゼパチド)と全く同成分の持続性GIP/GLP1受容体作動薬である「ゼップバウンド」が肥満症治療薬として発売されました。ゼップバウンドを処方するには施設基準と医師の資格要件等があり、通常は施設基準を満たした総合病院の肥満外来でしか処方ができません。「ゼップバウンド」の保険適応になる患者さんは、BMIが27 kg/m2以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害(高血圧、脂質異常症又は 2型糖尿病)を有するか、BMIが35 kg/m2以上となります。保険適応となる患者さんは、ご希望があれば積極的に施設基準を満たす総合病院にご紹介をしておりますが、総合病院の肥満外来を受診して即日「ゼップバウンド」の処方をしてもらうことは難しく、半年間の肥満に対する栄養指導、運動指導を受けて改善がない場合において「ゼップバウンド」の処方をしていただけるようです。半年間の厳しい栄養指導、運動指導を受けるため定期通院が難しい方、いち早く減量の成果を上げたい方には自費診療のマンジャロ処方が助け舟になると感じています。
先日、Yahooニュースにも出ていましたが、世界保健機関(WHO)がGLP-1受容体作動薬の肥満症治療への使用を正式に推奨する見通しであることが報じられ、世界的に注目を集めています。
当院は生活習慣病の管理を得意とする内科・循環器内科クリニックであり、自費診療によるマンジャロ処方においても、医師による安全な処方と経過観察、定期的な副作用チェックを心がけております。減量をすることにより多くの生活習慣病や睡眠時無呼吸が改善することが知られており、なかなか体重が減らなくて困っている患者さんのお役に立てれば幸いです。
投稿者:院長 吉田 直樹