【左室肥大、左室高電位 心電図波形の異常】はどうすればいい?

2021年01月25日

本記事は、下記関連ページの続きとして、記載しました。ご興味のある方は、是非、最初から読んでみて下さいね。

関連ページ: 心電図の異常は、何科に行けばいいの?

 

左室肥大、左室高電位 心電図波形の異常で、クリニック受診する前の確認項目

クリニックに所属する、医師のプロフィールをチェックしてからの、受診をお勧めします。医師の得意としているジャンルを、知る事が出来るからです。

 

クリニックのホームページで、医師のプロフィールを確認する事ができます。ホームページのないクリニックでも、看板をみると、専門医などが掲示されている場合あります。

 

医師プロフィールに、下記表記されているかチェックしましょう。

 

  • ●●循環器学会 専門医 / 認定医 / 所属
  •     ⇒ 心臓病を得意としている事を示しています。

 

  • ■■心臓病学会 専門医 / 認定医 / 所属
  •     ⇒ 心臓病を得意としている事を示しています。

 

心臓病を、得意とする先生の診察を受けると、精密検査の計画や、検査後の治療方針決定がスムーズとなります。

 

しかし、そこで必ずしも解決を得られる訳ではありません。より高度な医療に対応出来、高度医療機器を有している総合病院などへ、紹介受診が必要となる場合もあります。

 

プロフィールに専門ジャンルの表記のある医師は、病気に詳しいだけでなく、総合病院在籍の専門医師とコミュニケーションをとり、紹介受診がスムーズとなります。

 

クリニック受診前に、希望医師の診察予約が可能かどうか、電話されるとスムーズです。

 

関連ページ: スタッフ紹介

 

左室肥大、左室高電位 心電図の波形異常で考慮される外来精密検査

心電図異常 左室肥大、左室高電位で、考慮される外来精密検査は、以下となります。

  • 安静心電図検査(あんせいしんでんずけんさ)
  • 心臓超音波検査(しんぞうちょうおんぱけんさ)
  • 冠動脈造影CT検査(かんどうみゃくぞうえいCTけんさ)

これらの検査、全てが必要という事ではありません。また、心臓を詳しく調べる精密検査は、他にもいろいろあります。

症状や、背景(年齢、生活習慣、持病、etc.)、医師の診察によって、推奨される検査は変わってきます。

 

安静心電図検査

  • 所要時間: 1分程度
  • 自己負担額: 約130円 ~ 400円(自己負担割合によります)

 

健康診断などでやったのにもう一度?、と思われるかもしれません。

 

前回検査からの変化や、再現性の有無を、異なるタイミングで行う事により、チェックします。検査当日に、結果説明が可能となります。

 

心臓超音波検査

  • 所要時間: 20分程度
  • 自己負担額: 約880円 ~ 2,800円(自己負担割合によります)

 

お医者さんと妊婦さんが、お腹の赤ちゃんを、超音波検査で確認しているテレビCMを、ご覧になったことがありますか?

 

左胸に同じ原理の機器をあてることで、動画で、心臓の筋肉の状態や、ポンプとしての機能、弁(心臓の血流を制御する構造)機能、etc.を確認する事が出来ます。

 

体に害がなく、安全に行う事が出来る検査です。所要時間は20分程度です。検査当日に、結果説明が可能です。

 

冠動脈造影CT検査

  • 所要時間: 20分程度
  • 自己負担額: 約3,000 ~ 9,200円(自己負担割合によります)

 

冠動脈(かんどうみゃく):心臓を栄養する血管が、狭くなっていないか?詰まっていないか?を確認する検査です。

 

点滴注射で造影剤を投与しながら、CT撮影を行います。息止めを30秒程度できない、造影剤が腎臓に負担をかけるため、腎臓機能が悪い、etc.で、検査できない場合もあります。

 

CTの撮影自体は20分程度ですが、検査当日に結果を聞かれる場合、解析に相当時間を必要とするため、前後の点滴注射も含めて、3時間程度かかります。

 

補足

  • 所要時間は、検査のみの目安時間です。(前後のお待ち頂く時間、ご説明の時間は含めません)
  • 自己負担額は、検査のみの目安となります。(制度変更に伴い、変わる事があります。診察、お薬の自己負担額etc.は含まれません。)
  • 各病院やクリニックの診療体制により、所要時間、自己負担額、結果説明までの時間は変わります。

 

関連ページ: 検査について
診療時間・アクセス

 

左室肥大、左室高電位 心電図の波形異常で考えられる病気など

心臓のオブジェを運ぶ

心電図所見 左室肥大、左室高電位では、以下の病気や、状態が考えられます。

  • 高血圧症
  • 大動脈弁狭窄症
  • 肥大型心筋症
  • 大動脈弁閉鎖不全症
  • 僧帽弁閉鎖不全症
  • etc.

高血圧症
生活習慣病の1つです。血管動脈硬化のリスクであることが知られています。狭心症、心筋梗塞、脳梗塞といった動脈硬化が関与する病気の原因となります。

 

大動脈弁狭窄症
心臓弁膜症の1つです。心臓の中には弁という、開放したり、閉鎖したりする事で、血流を制御する構造物があります。大動脈弁は、心臓出口の、全身に血液を送り出す部分にあり、大動脈弁狭窄症は、その大動脈弁の開放が悪くなる病気です。心不全や不整脈、突然死の原因となります。

 

肥大型心筋症
左心室という心臓ポンプの筋肉が、一部または全部が分厚くなる病気です。心不全や、突然死の原因となります。不整脈が、出やすくなることも知られています。

 

大動脈弁閉鎖不全症
心臓弁膜症の1つです。心臓の中には弁という、開放したり、閉鎖したりする事で、血流を制御する構造物があります。大動脈弁は、心臓出口の、全身に血液を送り出す部分にあり、大動脈弁閉鎖不全症は、その大動脈弁の閉鎖が悪くなり、血液が逆流してしまう病気です。心不全の原因となります。

 

僧帽弁閉鎖不全症
心臓弁膜症の1つです。心臓の中には弁という、開放したり、閉鎖したりする事で、血流を制御する構造物があります。僧帽弁は、左心房と左心室の間にあり、僧帽弁閉鎖不全症とは、その僧帽弁の閉鎖が悪くなり、血液が逆流してしまう病気です。心不全や不整脈の原因となります。

 

補足
心電図だけでの、左室肥大と左室高電位の分類は、実際の臨床像とあわない事もあります。左室肥大、左室高電位のいずれかの所見で、考えられるものを網羅的に記載しました。

 

関連ページ: 診療時間・アクセス
スタッフ紹介
生活習慣病とは?

 

ここからは、少し難しい話かもしれません。ご興味のある方は読み進めて下さいね。

 

心電図検査 左室肥大、左室高電位は心電図波形の異常となります。

 

心電図所見だけで、左室肥大と左室高電位を、完全に分類することは困難です。心電図と、実際の臨床像が、合致しない例もあります。

 

左室肥大には、高血圧症や大動脈弁狭窄症といった、左室圧負荷に伴う、求心性肥大と、大動脈弁閉鎖不全症や、僧帽弁閉鎖不全症などに伴う、遠心性肥大の2つがあります。

 

求心性肥大では主として、左室壁肥厚をきたし、遠心性肥大では左室壁肥厚は軽度で、左室内腔の拡大(左室拡大)が主となります。

 

いずれの肥大も、左室心筋重量は増大するため、心電図上、QRS波の高電位を示します。左室肥大の診断には、QRS波の電位を用いたvoltage criteriaが、いくつか提唱されています。

 

しかし、実際の臨床像と異なる例もあるため、心電図はスクリーニングとして用いられ、確定診断や肥大の程度の評価には、心臓超音波検査が必要となります。

 

胸部誘導のvoltage criteriaでは、Sokolow-Lyonの診断基準、SV1 + RV5 or RV6 >35mm、が最もよく知られています。胸部誘導の他のcriteriaとして、RV5 or RV6 > 26mmがあります。

 

この基準を満たす時は、SV1 + RV5 or RV6 >35mmも満たすことが多いですが、右脚ブロック例で特に有用とされています。

 

肢誘導のvoltage criteriaでは、Ungerleiderの診断基準、R1 + Sm > 25mm、がよく用いられます。RaVL > 11mm、の基準もよく用いられます。

 

左室肥大の心電図診断では、voltage criteriaが中心ですが、肥大の進行に伴い、ST-T異常や、左房負荷所見といった、二次所見を示すことがあります。

 

ST-T異常がある場合、狭心症や、心筋梗塞との鑑別も重要となります。電気軸も、左軸偏位を示すようになります。

 

Voltage criteriaに加えて、こういった二次所見のある場合を、左室肥大、ない場合を左室高電位、と判定している場合があります。

 

左室肥大がさらに高度になると、ST-T異常はさらに顕著となり、V5, V6誘導で上方に凸型のST低下から、陰性T波へ移行するストレインパターンと呼ばれる波形を示します。

 

高血圧、大動脈弁狭窄症に伴う求心性肥大や、肥大型心筋症では、病勢進行により、ストレインパターンを伴う顕著なST-T異常を示します。

 

大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁閉鎖不全症に伴う遠心性肥大や、拡張型心筋症といった、左室拡大が主体の例では、ストレインパターンを示すことは稀です。

 

以上となります。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
 

関連ページ: 診療時間・アクセス
スタッフ紹介
生活習慣病とは?

 

心電図検査全般や、正常所見につきましては、別ページをご参照ください。

心電図の成り立ち ~ 正常・異常について

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者:医師、医学博士 吉川