【異常Q波、R波の増高不良 心電図検査の結果】はどうしたらいいの?

2021年01月21日

本記事は、下記関連ページの、続きとして記載しました。ご興味のある方は、是非、最初から読んでみて下さいね。

関連ページ: 心電図の異常は、何科に行けばいいの?

 

異常Q波、R波の増高不良 心電図の波形異常で、クリニック受診前の確認項目

クリニックに所属する、医師のプロフィールを、チェックしてからの受診をお勧めします。医師の得意としているジャンルを、知る事が出来るからです。

 

クリニックのホームページで、医師のプロフィールを確認する事ができます。ホームページのないクリニックでも、看板をみると、専門医などが掲示されている場合あります。

 

医師プロフィールに、下記表記されているかチェックしましょう。

 

  • ●●心血管(インターベンション)学会 専門医 / 認定医 / 所属
  •     ⇒ 心臓病の中でも、とくに狭心症心筋梗塞を得意としている事を示しています。

 

  • ▲▲循環器学会 専門医 / 認定医 / 所属 ⇒ 心臓病を得意としている事を示しています。
  • ■■心臓病学会 専門医 / 認定医 / 所属 ⇒ 心臓病を得意としている事を示しています。

 

狭心症心筋梗塞を、得意とする先生の診察を受けると、精密検査の計画や、検査後の治療方針決定がスムーズとなります。

 

しかし、必ずしも、そこで全て解決する訳ではありません。より高度な医療機器を持っていて、高度医療に対応可能な総合病院などへ、紹介受診が必要となる場合もあります。

 

プロフィールに表記のある医師は、専門ジャンルの病気に詳しいため、総合病院の専門の先生とコミュニケーションをとり、紹介受診がスムーズに進む可能性が高くなります。

 

クリニック受診前に、希望医師の診察予約が可能かどうか、電話されるとスムーズです。

 

関連ページ: スタッフ紹介

 

異常Q波、R波の増高不良 心電図検査の異常で、考慮される外来精密検査

異常Q波、R波の増高不良にて、考慮される外来精密検査は、以下となります。

  • 安静心電図検査(あんせいしんでんずけんさ)
  • 心臓超音波検査(しんぞうちょうおんぱけんさ)
  • 冠動脈造影CT検査(かんどうみゃくぞうえいCTけんさ)
  • 運動負荷心電図検査(うんどうふかしんでんずけんさ)
  • 血液検査(けつえきけんさ)
  • 【入院】心臓カテーテル検査(しんぞうかてーてるけんさ)

これらの検査、全てが必要という事ではありません。方法こそ違いますが、調べている内容はほとんど同じ、といった検査も記載しています。

また、心臓を詳しく調べる精密検査は、他にも色々あります。

症状や、背景(年齢、生活習慣、持病、etc.)、医師の診察によって、推奨される検査は変わってきます。

 

安静心電図検査

  • 所要時間: 1分程度
  • 自己負担額: 約130円 ~ 400円(自己負担割合によります)

 

健康診断などでやったのにもう一度?と思われるかもしれません。

 

異なるタイミングで行う事により、前回検査からの変化や、再現性の有無をチェックします。検査当日に、結果説明が可能となります。

 

心臓超音波検査

  • 所要時間: 20分程度
  • 自己負担額: 約880円 ~ 2,800円(自己負担割合によります)

 

テレビCMで、お医者さんと妊婦さんが、お腹の赤ちゃんを、超音波検査で確認している場面をご覧になったことがありますか?

 

同じ原理の機器を左胸にあてることで、心臓の筋肉の状態や、ポンプとしての機能、弁(心臓の血流を制御する構造)機能、etc.を、動画で確認する事が出来ます。

 

体に害がなく、安全に行う事が出来る検査です。所要時間は20分程度です。検査当日に、結果説明が可能です。

 

冠動脈造影CT検査

  • 所要時間: 20分程度
  • 自己負担額: 約3,000円 ~ 9,200円(自己負担割合によります)

 

心臓を栄養する血管(冠動脈:かんどうみゃく)が狭くなっていないか?詰まっていないか?をチェックする検査です。

 

造影剤を点滴注射しながら、CTを撮影します。造影剤が腎臓に負担をかけるため、腎臓機能が悪い、息を30秒程度止めることができないetc.で、検査できない場合もあります。

 

CTの撮影自体は20分程度ですが、解析に時間を必要とするため、検査当日に結果を聞かれる場合、前後の点滴注射も含めて、3時間程度かかります。

 

運動負荷心電図検査

  • 所要時間: 30分程度
  • 自己負担額: 約380円 ~ 1200円(自己負担割合によります)

 

運動することにより心臓に負担をかけて、心電図波形の変化や、不整脈の出現がないかをチェックします。

 

踏み台昇降運動の前後で心電図をとったり、心電図をつけたまま、ルームランナーで走ったり、エアロバイクをこいだりします。 検査当日に、結果説明が可能です。

 

※激しい息切れが生じる事があり、コロナ禍の現在、当院では運動負荷心電図検査を中止しています。

 

血液検査

  • 所要時間: 3分程度
  • 自己負担額: 約1,200円 ~ 3,600円(自己負担割合によります)

 

採血により血液を調べます。貧血などが原因で脈が速くなる事があります。電解質異常や、甲状腺ホルモン分泌異常などで、不整脈がでやすくなる事も知られています。

 

これらの項目を、血液検査でチェックする事ができます。また心臓への負担のかかり具合を、チェックできる検査項目もあります。

 

結果説明まで、当日 ~ 1週間程度後と血液検査項目により幅があります。

 

【入院】心臓カテーテル検査

医師の診察や、外来精密検査の結果、また症状により外来精密検査を経ずに、心臓カテーテル検査が必要となる事があります。

 

心臓カテーテル検査は、入院検査としているクリニックや病院が多く、当院でも入院検査となります。

 

心臓を栄養している血管が、狭くなっていないか?、詰まっていないか?を外来検査以上に、精密に調べることが出来ます。

 

医療用の細い管をカテーテルと呼びます。手首、肘、足など体の表面に近い部分を走っている動脈に、局所麻酔を用いてカテーテルを挿入し、心臓まで直接カテーテルを送り込んで、選択的に血管を造影します。

 

関連ページ: 狭心症、心筋梗塞のカテーテル検査・治療

 

補足

  • 所要時間は、検査のおおよその時間となります。(ご説明、前後のお待ち頂く時間は含めません)
  • 自己負担額は、検査のみの目安となります。(診察、お薬の自己負担額etc.は含まれません。制度変更に伴い、変わる事があります。)
  • 各病院やクリニックの診療体制にもよります。

 

関連ページ: 検査について
診療時間・アクセス

 

異常Q波、R波の増高不良 心電図の波形異常で考えられる病気など

ピンク色の心臓のモチーフが多数

心電図所見 異常Q波、R波の増高不良では、以下の病気や、状態が考えられます。

  • 心筋梗塞
  • 心筋症
  • 健常者
  • etc.

心筋梗塞
心臓を栄養している血管が、閉塞したり、狭くなる病気です。心不全や、突然死の原因となります。心電図検査にて、異常Q波、R波の増高不良が確認される場合があります。

 

心筋症
心臓ポンプの筋肉に、異常が生じる病気です。左心室の筋肉が、一部または全部、分厚くなる肥大型心筋症や、筋肉が薄くなり、収縮能が低下する拡張型心筋症などがあります。心不全や、突然死の原因となります。心電図上、異常Q波やR波の増高不良が出現する事があります。

 

健常者
心疾患を含め、特に基礎疾患を有さない方にも、心電図所見 異常Q波やR波の増高不良を認める場合があります。

 

関連ページ: 診療時間・アクセス
スタッフ紹介
生活習慣病とは?

 

ここからは、少し難しい話かもしれません。ご興味のある方は読み進めて下さいね。

 

 

心電図異常 異常Q波は、心電図波形の異常となります。

 

正常でも、心室中隔の脱分極を反映した、幅の狭い小さなQ波を認めます。

 

多くはⅠ, aVL, V5, V6誘導でみられます。Q波が、Q波幅 ≧ 0.04秒(1.0mm)、またはQ波の深さがR波高の1/4以上の時、異常Q波とされます。

 

判断時の注意点としては、通常aVR誘導はQS型またはQr型のQRS波形を示すため、幅の広いQ波は正常とされます。

 

Ⅲ誘導も、健常な方でQS型、またはQr型波形を示すことが多く、ⅡまたはaVF誘導に異常が無ければ、異常Q波とはされません。

 

aVL誘導は、健常な方でも小さなQ波を認め、Q波の深さがR波高の1/2以上の時のみ、異常Q波とされます。心筋梗塞が、異常Q波を示すことはよく知られています。

 

心筋梗塞の診断だけでなく、心筋梗塞領域(範囲)の推定にも利用されます。しかし、心筋梗塞以外の疾患にもみられ、肥大型心筋症は異常Q波を時々示します。

 

異常Q波に関しては、以上となります。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
 

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スタッフ紹介
生活習慣病とは?

 

心電図検査全般や、正常所見につきましては、別ページをご参照ください。

心電図の成り立ち ~ 見方について

 

心電図所見 R波の増高不良は、心電図波形の異常となります。

 

心電図検査の胸部誘導において、QRS波中のR波は、胸の中央あたりの誘導で記録されたものから、胸の左側の誘導で記録されたものに向けて(すなわち、V1からV2, V3, V4, V5, V6誘導にかけて)、高くなっていくのが通常とされています。

 

V1~V3誘導にかけて、R波の高さがほとんど変わらない場合、V2, V3誘導で本来確認されるはずの、R波の高さが減高しているかもしれない、と判断されR波の増高不良と呼ばれます。

 

V1から、V2, V3誘導にかけて、R波の高さが、徐々に低くなるものはreserved progressionと呼ばれ、ことさら、何かしらの心疾患がある可能性が高くなります。

 

肺気腫や、瘦せた体型の方では、心臓に異常が無くても、心臓が立位となるため、胸部誘導V1(さらにV2)でQSパターンを示すことがあります。

 

左脚ブロックでも、左室の伝導が障害され、V1(さらにV2, V3)で60%の例でQSパターンを示します。左脚前枝ブロックもV2, V3にqrS型波形を示すことが多いとされています。

 

以上となります。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました!
 

関連ページ: 診療時間・アクセス
スタッフ紹介
生活習慣病とは?

 

心電図検査全般や、正常所見につきましては、別ページをご参照ください。

心電図の成り立ち ~ 見方について

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者:医師、医学博士 吉川